現物が無く、ネットを利用する「お金」のため、仮想通貨と電子マネーを混同する人が少なくありません。
確かに、似ている面はありますが、実際には全く異なるものです。

仮想通貨の特徴

例えば、日本円は日本銀行が発行し、管理しています。
ところが、仮想通貨には国や企業など、発行や管理を行う機関がありません。
仮想通貨はユーザー同士がネットワークでもって管理する仕組みになっています。
逆に、管理している機関が無いため制約が無く、世界中のどこに行っても同じように使えることになります。
つまり、ネットの環境さえ構築されていれば、円をドルに替える必要が無く、ドルをユーロに替えなくても、仮想通貨をそのままどの国でも使えます。

電子マネーの特徴

電子マネーは基本的に、法定通貨(円)をカードやスマホなどにチャージして使うものです。従って、決済に利用できるのはチャージした金額分だけです。

また、電子マネーには企業という発行機関が存在しており、例えばSuicaは東日本旅客鉄道、楽天Edyは楽天Edy、nanacoはセブン・カードサービス、WAONはイオンリテールが発行・管理しています。
そして、利用できる場所は発行企業と提携している加盟店だけであり、ユーザーが加盟店で電子マネーを利用すると、発行企業が利用代金(手数料を差引いた残高)を加盟店に支払います。

仮想通貨と電子マネーの主な違い

仮想通貨と電子マネーの主な違いとしては、以下が挙げられます。

1.発行元

電子マネーの発行元は実在する企業です。一方、仮想通貨は複数のプログラマーが設計したインターネット上のシステムであるため、基本的に管理する特定の企業や団体などは存在しません。

2.購入方法

電子マネーは現金やクレジットカードで利用したい金額分をチャージすることで購入でき、仮想通貨は業者が運営する仮想通貨取引所(販売所)で購入します。各取引所では様々な仮想通貨を取扱っており、同じ仮想通貨でも取引所ごとに価格が異なっています。

3.利用できる地域

電子マネーの利用できる地域・店舗は国内の電子マネー発行企業の提携店に限定されますが、仮想通貨は仮想通貨による決済を導入しているところなら、世界中のどこででも利用できます。

4.価格の変動

電子マネーは法定通貨をチャージして利用するため、利用できる金額が変わるということはありません。ところが、仮想通貨は為替におけるFX取引のように日々価格が変動します。従って、投資によって利益を得ることが可能です。

5.個人間送金

カードやスマホにチャージされている電子マネーを他人に送るということはできません。一方、仮想通貨は個人間での送金が自由にでき、海外へも送金できます。